12月24日は聖夜 Heilige Abnd(ハイリゲ・アーベント)ですね。ドイツの家々では、クリスマスの香りが漂っていると思います。もみの木を始めとした常緑樹の香り、スパイスの香り、焼き菓子の香り。明日のクリスマスにはガチョウ(Weihnachtsgans )を焼く香りも加わります。ドイツ人の知り合いによると、ドイツのクリスマスの伝統料理は、酢漬けにした鯉を香辛料と一緒に煮たもの(Karpfen blau)を食すそうなので、魚の香りも漂うのかな。
私は、クリスマスの香りを嗅ぐと、どんよりとしたお天気の中でも、頭がすっきりしてリフレッシュしたり、暖かく幸せな気持ちになります。
視覚や聴覚で多くの情報を得る現代ですが、人の五感の一つ嗅覚も大事な感覚の一つです。今日はカキラリストTamakiが、香りの健康効果についてお伝えします。
香りとは
香りとは、匂いの中でも特に好ましいもののこと。
匂いとは、広辞苑によると、「空気中を漂ってきて嗅覚を刺激するもの」とあります。
匂いは、目には見えないのですが、確かにそこにあります。空気中に漂っている「小さな物質」であり「分子」です。
アドヴェント(待降節)が始まるだいたい11月後半からドイツの家にはクリスマスの香りが漂います。
針葉樹林を中心とした樹々で作られたアドベンツクランツ、スパイシーな焼き菓子や料理。そしてクリスマス近くになると生のもみの木で飾られたクリスマスツリーの香りが加わります。家の中には、様々なクリスマスの香りを発するものがあり、そこから揮発した小さな物質が空気を漂って鼻へと届いています。
匂う仕組み
空気中の匂いの分子が鼻へ入ると、鼻の中の三層になっている空洞(鼻腔)の最上部に至り、その天井部分の嗅上皮にある粘膜に達します。
嗅上皮には、たくさんの嗅細胞があって、匂いの分子を捉え、匂いの情報を電気信号に変換してインパルスを発生させます。
そのインパルスは嗅神経を通り脳へと送られて行くのです。嗅細胞は、ちょっと変わったメカニズムを持っていて、それ自身が脳に向かって直接、神経線維を伸ばしています。
嗅神経を伝って伝えられたインパルスは最終的に脳で高度な解析がなされ、どのような匂いを感じたかを認識します。
匂いと記憶
視覚や聴覚といった嗅覚以外の感覚は、間脳の中の視床という部分を経由し、その後、脳の中のそれぞれの場所へと伝達されて処理されます。
でも、匂いは、他の感覚とは異なり、視床を経由せず、脳の中でも大脳辺縁系と呼ばれるところに、直接届きます。
大脳辺縁系は、「情動系」とも呼ばれ、記憶を司る「海馬」や、感情を司る「扁桃体」があります。
匂いの情報を処理する脳(大脳辺縁系)が、記憶を司る場所でもあり、感情を司る場所でもあることから、匂いで記憶や感情が呼び覚まされる、と言った現象が起きるそうです。
確かに、匂いから記憶が蘇ってくることってありますよね。
我が家には、昔アフリカへ旅行した時に頂いたお香があるのですが、掃除をしていた時にそのお香の蓋が開いて、独特な匂いが漂いました。その匂いを嗅いだ時、アフリカ滞在時の記憶がどっと蘇ったことがありました。
このような嗅覚の特長と記憶の関係から、嗅覚を刺激して、認知症を予防しようとする研究も進んでいるそうです。
香りと前頭葉
調べていると、ある特定の香りが脳の前頭葉を刺激して前頭葉の血流を上げ、運動能力の向上や、認知症の改善効果を報告している記事もありました。
前回の記事でご紹介したカルダモンというスパイス。
このスパイスの香りも様々な健康効果があり、その中に、集中力・脳機能を高めるといった効果もありました。
前回の記事はコチラ↓
香りを吸い込む
部屋中を漂っている匂いの分子。それらは、毎回の呼吸で肺へ送られ、肺から血液にのって、全身へ巡り様々な臓器に影響を与えることもあるそうです。また、匂いの元を触って皮膚から吸収されるといった摂取方法もあるようです。
クリスマス前のドイツの家々では、部屋のドアを開け締めするたびに、空気が動いて、もみの木の爽やかな香りが漂います。
また、様々な樹々を組み合わせて作られたアドベンツクランツにろうそくを灯すと、揮発性物質が出やすいためか、いい香りが強くなる気がします。樹々が発散する森の香り「フィトンチッド」という揮発性物質は「衝撃・湿度・光を浴びたときに放出」されるそうです。クリスマスツリーやアドベンツクランツに明かりを灯すことは、そういった効果を引き出すことに繋がりそうです。
フィトンチッドについての興味深いブログはコチラ↓
もみの木の健康効果
一般的にクリスマスツリーにする木とは異なりますが、Fichteという常緑樹があります。ドイツでは、昔から、その木の薬効効果が伝えられています。今でも、その木の抽出オイルを使った製品(Fichtennadel Öl)は、風邪薬や入浴剤としてよく売られています。私も入浴剤を試したことがありますが、森林浴をしているような気分を味わえて、とてもリラックスしました。
ドイツでクリスマスツリーにする木は色々あります。
Nordmanntanneという種類が香りがよく、葉の色も鮮やかで人気があるようです。
他には、Blaufichte、Edeltanneなどが一般的です。
抽出オイルで有名なFichteもありますが、すぐに葉が落ちてしまい長持ちしないので一般的ではありません。ドイツのクリスマスツリーは1月6日の「三王来朝の日」(イエス・キリストの誕生を聞いた三賢者が祝福しに来た日)まで飾られるので、長持ちすることも大切なのです。
私の下に住む住人は、Rotfichteを森から切り出してもらって購入したと話していました。
どの木もそれぞれによい香りがして、クリスマスの記憶として残っていくのでしょうね。
また、クリスマスツリーになる木には、空気の浄化を促す効果があるそうです。クリスマスツリーを家の中に飾るのは、風邪やウイルスの蔓延する冬場に、家の中を殺菌するためといった、昔からの知恵も合わさっているのかもしれません。
そして清々しい森の香りは、気分もすっきりさせてくれます。
ドイツ人にとって、クリスマスは、日本のお正月のような感じで、家族や親戚一同が介して過ごす大切な時間です。でも今年は、コロナ禍のロックダウンによる制限で、親戚一同が介することは難しい状況になりました。それでも、街には、クリスマスツリーを買い求める人々の姿があり、家々の窓に、クリスマスツリーが光を放つ姿が見えます。クリスマスの香りに包まれながら、静かに聖夜を過ごします。
愛に溢れたエクササイズ
12月24日は、カキラメソッド考案者己抄呼~Misako~先生のお誕生日でもあります。クリスマスは、他人を思いやる心や、愛する心を分かち合いますが、カキラメソッドの中にも、そんな気持ちや願いが込められています。本当に愛に溢れたエクササイズメソッドなんです。
カキラを受講する方のことを、色々な面から本当によく考えられています。相手を思いやり、相手のためにと考えられた、エクササイズKaQiLa〜カキラ〜。
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本日もお読みいただきありがとうございました。
良いクリスマスをお過ごし下さい。Tamaki
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