こんばんは、Tamakiです。前回までに引き続き、2020年のコロナ禍でのドイツ(ベルリン)の状況をお伝えします。5月6日の政府の決定以降、ようやく少しずつ日常が戻ってきたドイツは、さらなる緩和措置が取られていきます。今回は、5月〜6月編です。
前回までの記事はこちら↓
コロナ禍のドイツ
5月
毎日が休日のような日々で、皆が忘れてしまいそうでしたが、5月8日は2020年に限ってベルリンは、祝日でした。というのは、この日は、第二次世界大戦の終戦かつナチス・ドイツからの解放から75年が経過した、記念の日だったのです。
コロナ禍でなければ、大規模な式典が行われたでしょうが、ごく小さなものになりました。
その中で、ドイツ連邦大統領シュタインマイヤー氏は、以下のような演説を行いました。
「もう二度と」− 戦後、私たちはこう誓いました。この「もう二度と」は、私たちドイツ人にとっては特に「もう二度と孤立するな」ということでもあります。そしてこれは、どこよりも欧州においてあてはまります。私たちは欧州の結束を保たなければなりません。欧州人として考え、感じ、行動しなければなりません。欧州の結束を、このパンデミック下において、また収束後において保てないのであれば、私たちは 5 月 8 日という日を節目の日とする資格はありません。欧州の失敗は、「もう二度と」という誓いの失敗でもあるのです。
私は、政治のことは、深くわかりませんが、日々のニュースを聞いていても、ドイツがドイツ一国の利益のためだけに事を運んでいるのではなく、欧州全体を考えた行動や政策をしているように感じます。それは、コロナ禍でも同じでした。医療崩壊で困っている隣国の患者を、医療体制に余裕のあるドイツが受け入れたり、コロナ禍で経済不況に立たされている欧州全体の経済を活性化させようと、予算を組んだりしていました。私には、ドイツが、困っているなら、余裕がある国が助けようじゃないか、欧州全体が潰れないようにしよう、と考えているようにうつりました。それは、ドイツ人の心の中に、第二次世界大戦の敗戦で得た、上記のような教訓があるからなのかもしれません。
5月15日からは、ベルリンでも、制限はありますが、外でならば少人数グループで、スポーツ活動ができるようになったり、カフェやレストラン、美術館も再開しました。
ただしレストランのビュッフェは禁止のままでした。ベルリンでは、土曜日や日曜日といった休日の朝は、午後2時ぐらいまで、ビュッフェ形式のブランチを提供するレストランやカフェが多くあり、賑わっていました。それがなくなってしまったのは、とても残念でした。
ホテルのレストランでも多くが朝食はビュッフェ形式ですが、宿泊家族ごとに定められたテーブルで頂く形式に変更されていました。提供する側はいつもよりも、手間がかかりそうでしたが、再開できたことの喜びの方が大きいわっとおっしゃっていました。
様々なものが、緩和に向かう中、同時に、しっかりと反則金の規定も決められました。ドイツらしい一面です。
6月
5月28日のベルリンの決定では、さらなる緩和措置がとられました。
6月2日からはやっと、フィットネススタジオやバレエスタジオなど、屋内でのスポーツも許可されたのです。もちろん、色々な規制はありました。
出席者の名簿を控えねばなりませんし、接触するスポーツはまだ禁止。 スポーツでは、最低3メートルの間隔を取る必要があり、換気も十分に行わなければなりませんでした。トレーニングは、個人、2人又はトレーナー等を含む最大8名までの小グループで、1,5メートル以上の距離を確保しながら行う場合のみ、許可されました。
私が借りているバレエスタジオのオーナーからも、スタジオ使用許可の連絡が来て、カキラの屋内レッスンも再開しました。
それにあたり、当初契約していたスタジオでは1,5メートルの距離を保てないため、大きめのスタジオへ変更したり、スタジオ使用前の換気、掃除と消毒のために、早めにスタジオへ行くようにしたり、マスクの着用や更衣室の使用不可のご案内など、感染を防止するためのルールを細かく、お客様にお伝えしました。
久々にお会いするお客様とレッスンをしながら、優し笑顔を送って下さるお客様をみて、思わず涙ぐみそうになりつつ、ゆったり、ゆっくり、た〜くさん息を吸って、気持ちよく動くレッスンを心がけました。
5月28日の決定では、屋内で開催されるイベントや集まりも、6月2日から150人、6月30日からは300人までを上限として許可されました。
その他の屋外で開催されるイベントや集まりは、6月2日から200人、6月16日から500人、6月30日からは1000人未満までを上限として許可されました。
これに伴い、今後、野外や屋内での音楽やダンス、オペラ、演劇などの公演も行われうようになっていきます。
でも、これまでと、まったく同じと言うわけには、いきませんでした。演ずるものは互いに距離を保たねばなりませんでしたし、観客も互いに距離をとって座るため、観客席はまばらです。観客がぽつぽつとしか座っていない状態でも、寂しい感じを与えないような、工夫をしているところもありました。また、いつもは、屋内で行っていた公演を、野外でもできるようにアレンジしたり、また全く違った発想で行っているところもありました。例えば、観客を団体で移動させて、様々な場所で踊るダンサーのところへ導いて見せるといった公演もありました。コロナ禍で制限があるからこそ、生まれた作品形式もあり、芸術家の柔軟な発想を楽しむことができました。
映画館も、野外は6月2日から、屋内は6月30日から再開しました。でも、ロックダウン中の経済不況の影響か、潰れてしまった映画館もありました。映画館の入り口前には、通常亡くなった方を悼むために灯すろうそくや、花輪が、捧げられていました。
居酒屋も6月20日からは、再開されました。夏は、ビアガーデン!と待ち望んでいた人も多かったようです。
デモも、1.5メートルの間隔確保及びその他の衛生規則の遵守を前提に、5月30日から、参加人数の制限なく開催を許可されました。
2020年5月30日は、Pfingsten(聖霊降臨祭)の祝日でした。
この時期には、3月のメルケル首相の演説を聞いた直後のように、国民全体で一致団結して、この大変な時期を乗り越えようとする機運はずいぶんと薄れていたようです。
国民のコロナ禍の政府の政策に対する感情は、別れていました。早急な正常化回復を求める人々と、まだまだ危険は去っていないのだから慎重であるべきだと考える人々とがいて、その間に亀裂が生じ始めていたようです。
Pfingsten(聖霊降臨祭)の祝日、良い天気と、久々の行動の自由に、人々が浮かれて、再び感染の増加が起こらないように、メルケル首相は、「Weiter wachsam und mutig bleiben (引き続き警戒を怠らず勇気をもって)」と釘をさしました。
6月5日、メルケル首相は、ロックダウンの影響による景気の低迷を回復させるため、景気対策を掲げました。
「国全体の景気回復を目的として7月1日からの6ヵ月間 消費税率を19%から16%へ引き下げる。 また軽減税率(食料品などに適用される税)も7%から5%への引き下げを決定した 消費税はすべての人が支払うものなので社会的にも公正な方法で 消費を活性化することができるだろう。この広範な措置が経済全体の活性化につながることを期待している。」
景気対策の総額は、1,300億ユーロ、日本円にしておよそ15兆6000億円で、これは2020年から2021年にかけて実施されました。
6月16日には、たくさんの人々が使うことで、効果が出るため、政府が、CORONA warn APPの使用を呼びけけました(義務ではなく、自由選択)。
その日は、ちょうどお外でカキラのクラスをしている日でしたが、ロックダウン後初めて参加して下さった方がいました。その方は、「CORONA warn APPができたし、少し安心なので、ロックダウンから始めて、公共交通機関、地下鉄ででかけました。」とおっしゃっていました。
ベルリンの病院で働く理学療法士さんも、CORONA warn APPの開発を心待ちにしていたそうです。それまでは、どこで、誰にあったかを毎日日記につけていらしたそうです。でも、CORONA warn APPができれば、その手間を省くことができ、嬉しいとおっしゃっていました。そして、この頃には、ベルリンの病院(Charité)でもコロナ患者のために用意しておいたベットを片付け始めたとおっしゃっていました。
6月末、今までとまるっきり同じではないですが、ようやく日常が戻ってきました。
そして、学校は夏休みに突入です。子どもたちは、結局、3月のロックダウンから学校に行ったのは、ほんの数回。オンラインで行う授業の難しさ、学校のインターネット回線の不十分さ、受け手側の機器の不足など、問題が多く残されました。
深く吸うことができるエクササイズ
ロックダウン後にカキラのレッスンを再開して感じたのは、お客様の胸郭がずいぶんと固くなっているということでした。
今までのレッスンと同じように、吸う時間をとっていると、何度も吸い直していらっしゃる姿を目にしました。
カキラは、吸う呼吸を大切にしたエクササイズです。カキラを行うことで、肺を取り囲む胸郭と呼ばれる鳥かごのようなところが柔軟になります。肺は、外の胸郭が柔軟に動くからこそ、大きさを変えることができます。つまり、この胸郭が柔軟に膨らまなければ、一生懸命がんばっても、息は深く長く吸い込めないのです。
この胸郭というところは、すぐに固くなってしまいます。体を動かさなかったり、姿勢が崩れたり、悩みごとがあったりすると動きが悪くなります。でも、カキラをすると、この胸郭が柔軟に動くようになるのです。しかも、誰もが、痛みをともなわずに行えるのです。え、こんなに簡単に?って驚くぐらい。
カキラのレッスンを再開して、しばらくは、カチコチだったお客様の胸郭も、レッスンを続けて行くうちに、どんどん柔軟になり、毎回、笑顔が柔らかになり、体全体が活き活きされていきました。
コロナに負けないためにも、肺を鍛えなければなりません。肺を大きく動かすためには、胸郭が柔軟でなければなりません。そう、カキラがオススメなんです。
皆さんも、ぜひ、カキラを体験してみて下さい。
本日もお読みいただきありがとうございました。
Tamaki
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