今週から、ベルリンの街角で苺スタンドが立ち始めました。
このスタンドでは、近郊の農家が朝摘み苺を販売しています。ここの苺は、甘くて、
瑞々しく、とっても美味しい。
いつもと違うのは、売り子さんもマスクをしていること。
ベルリンでは、近郊公共交通機関内や小売店内において、マスク着用が義務付けられま
した。マスクをしていると、少し息苦しさを感じますね。
なんと1日で約3万回もしているという呼吸。前回に引き続き、呼吸のお話です。
こんばんは、Tamakiです。
前回の記事でお伝えしたのは、
「呼吸時に、直接的には動けない肺を伸び縮みさせるためには、胸郭の容積を変化させ
なくてはならない。」でした。
安静時には、横隔膜や、外肋間筋の働きで、胸郭の容積が変化しましたが、ふかぁ〜く
息を吸うときは、どうなるのでしょう?
今回は、深い呼吸時に、胸郭の容積をどうやって変化させるのか、そのことを探る中
で、深く呼吸することができると、どのようなメリットがあるのかを、考察します。
深く息が吸えるメリットとは
呼吸時、胸郭のどこが動くのか
私が暮らすドイツのベルリンも、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、他人との接
触をさけ、外出自粛状態です。そのため、戸外での運動は、家族でサイクリングにでか
けることが多いです。
主人は、心臓が飛び出るほど、力いっぱい自転車を漕ぐのが好きらしいのですが、私
は、心臓が飛び出るほどの運動をしたのは、いつのことやら。
あっ、以前、旅行中に電車に乗り遅れそうになって、必死に走った後は、心臓が飛び出
しそうでした。
読者の皆さんも、負荷の高い運動をし、大きく胸を膨らませて、呼吸をした経験をお持
ちの方もいらっしゃるでしょう。また、運動ではなくとも、日常生活で、例えば、遅刻
しそうな状況で一生懸命に走り、息が切れ、ふかーく深く呼吸をした経験のある方は、
いらっしゃると思います。
テレビでも、全力を出しきったスポーツ選手たちが、膝に手をおいて、深く呼吸をする
姿を、目にします。
深く深く呼吸している時は、ずいぶんと、胸郭全体が大きく膨らんだり、縮んだりして
いますよね。
私は、胸郭を大きく膨らますことをイメージすると、いつも鳥の姿が頭に浮かびます。
骨格の中で、がっしりとした鳥かごのような場所が、胸郭です。
胸郭を構成しているのは、胸骨、肋骨、胸椎でした。
深く呼吸をする時、この中のどこが動くのでしょう?
動く起点になるのは、関節ですから、胸郭の腹面側と背面側にある関節部分に着目して
考えます。
胸郭を前からみてみると、硬そうな縦長の骨である胸骨(ヤゴのような形の骨)が真ん
中にあり、肋骨(あばら骨)が左右についています。
胸骨と肋骨の間は、軟骨(肋軟骨)になっています。
大雑把に言うと、胸郭の腹面側では、肋軟骨を介して、胸骨と肋骨が関節を形成してい
ます。
軟骨と聞くと、柔らかそうで、ちょっと動きそうな感じがしますね。
膨らむのかな?動くのかな?
胸骨の周辺に手を軽くあてて、ふかーく息を吸ってみると・・・、たしかに、動いてい
るのを感じます。
では、今度は、あえて、胸郭の腹面側、つまり胸骨周辺が膨らまなように呼吸をしてみ
ます。
方法は、まず、先ほど手を当てていた胸骨周辺を、斜め下に向かって軽めに押さえま
す。
そして、そのまま軽くうつむいて、手で押さえた辺りがえぐれるように、ふかーく息を
吸ってみます。すると・・・・、これでも、胸郭が膨らんでいます。
背中の方や脇の方の胸郭が膨らみます。先ほどより、膨らみ方が大きいように感じます。
胸郭は、前にも膨らむけど、横や、後ろにも膨らむのですね。
胸郭の背面部
胸郭の腹面側から肋骨を側面へ、さらに背面側へと辿っていくと、胸椎(胸辺りの背骨)に
ぶつかります。
胸椎と肋骨は関節を形成していました。
胸椎については、こちらの記事をお読み下さい。
胸椎と胸椎の間、及び、肋骨と胸椎の間にある関節面は、100個以上ありました。
肋骨と胸椎とで形成する関節を「肋椎関節」といいます。
肋椎関節を更に詳しく区別すると、「肋骨頭関節」と、「肋横突関節」になります。
これらの関節については、後日、他の記事でご紹介予定です。
ここでは、肋骨と胸椎は関節を形成しているのだなぁ、だから動くのだな、と理解して
おいて下さい。
胸郭の腹面側での関節面は、だいたい14個、背面側では、100個以上。
関節面は、背面の方がずっと、多いですね。
関節一つ一つの動きは小さくても、100個以上の関節が動くと、ずいぶん胸郭の容
積は大きくなります。
深い呼吸をした時に、胸郭の容積が大きく変化するためには、胸郭の腹面側より、むし
ろ背中側の関節の動きが良いことが、大切だと分かります。
胸郭の背中側を柔軟にするエクササイズ
胸郭の背中側の関節を柔軟にするには、私達がレッスンを担当する、ろっ骨エクササイ
ズKaQILa〜カキラ〜を、オススメします。
レッスンへいらした当初は、「ここで、ふかぁ〜く吸います。」と私が、インストラク
ションをしても、ヒュッと一秒ぐらいしか吸えなかったお客様や、一生懸命に吸おうと
して、むせてしまっていたお客様も、レッスンの最中から、もしくは、2,3回レッス
ンを重ねると、どんどん呼吸が深くなります。端からみていても、胸郭がホワ〜っと膨
らんでいるのが分かるようになります。
そして、同時に、ひどい肩こりや頭痛、腰痛などが、楽になったとおっしゃいます。
呼吸を司る筋と姿勢を維持する筋
呼吸には、「安静呼吸(無意識の呼吸)」と「努力呼吸(意識的な呼吸)」の2種類が
あります。
心臓が飛び出るほど動いた後の呼吸は、努力呼吸です。
努力呼吸とは、呼吸困難時や、負荷の高い運動をした時に行われる呼吸。
つまり体が、通常よりも多くの酸素をとり込もうとしている時の呼吸です。
努力呼吸時は、安静呼吸時より、肺を大きく膨らましたり、縮めたりしなければなりま
せん。つまり、肺の入っている胸郭を安静呼吸時より、大きく膨らませたり、縮ませる
ことが必要です。
動く範囲が大きいのですから、努力呼吸時は、安静呼吸時より、きっと、使われている
筋肉や関節も多いはずですね。
安静呼吸で働いていた筋は、主な呼吸筋である、横隔膜や外肋間筋でした。
努力呼吸では、その他の呼吸筋と、呼吸補助筋という、その名の通り、呼吸を補助する
筋肉が使われます。
吸気筋・吸気補助筋としては、首、胸、背中、肋骨周辺にある筋肉が使われます。
そして、呼気筋・呼気補助筋としては、腹、背中の下部、肋骨周辺にある筋肉が使われます。
これらの筋の中には、呼吸をするためだけに働く筋だけではなく、実は、姿勢
を維持するために働いている筋肉も多く含まれています。
つまり、深く息をする時に使う筋肉は、姿勢を維持する筋肉でもあるのです。
深く息をすることで、働きの弱っていた、もしくは休んでいた姿勢を維持する筋に、本
来の働きをするように、促していくことができそうです。
そして、そのことで、姿勢が改善し、姿勢の歪みから来る不調が改善されそうです。
胸郭の位置と呼吸や姿勢
骨格全体でみてみると、胸郭は、ずいぶんと大きな割合を占めています。
胸郭の位置が下がっている、上がっている、前傾している、後傾している、横へ傾いて
いる、ねじれていると、姿勢も崩れることが、容易に想像できます。
深く息をすることで、胸郭周りの関節、例えば肋骨と胸椎の間の関節、胸椎と胸椎の
関節の歪みが整い、胸郭が本来あるべき位置へ納まると、姿勢は随分と改善されそうで
す。
まとめ
-
深く息をすう時、胸郭の容積を変化させるためには、胸郭の背面側にある関節が大きな役割をになっている。
-
深く息をすう時、胸郭の容積を変化させるためには、安静呼吸時に働く筋以外に、呼吸補助筋の作用が必要。
-
呼吸筋や呼吸補助筋は、姿勢を維持する筋肉でもある。
したがって、胸郭の容積を最大限変化させる呼吸、努力呼吸を行うことで、姿勢の改善
ができ、姿勢の歪みから来る不調の改善が期待できる。
深く息が吸えると、姿勢も改善され、つら〜い頭痛や肩こり、腰痛も改善されそう!
やっぱり、深い呼吸は、良いこと尽くめなんですね。
楽に努力呼吸をして姿勢を改善するエクササイズ
深〜い呼吸をしたい、でも、努力呼吸をするために、心臓が飛び出るほどの運動をする
のは、億劫です。
努力呼吸が簡単に、しかも、楽に行えたら良いと思いませんか?
私達がレッスンを担当するろっ骨エクササイズKaQiLa〜カキラ〜なら、可能です。
ろっ骨エクササイズKaQiLa〜カキラ〜では、胸郭を最大限に膨らます呼吸を意図的に行
います。つまり、努力呼吸を意図的に行います。
カキラのレッスン中に、参加者は、深い呼吸時に使われる関節や筋肉をどんどん動か
し、働かせ、整えて行きます。参加者は、レッスン中からどんどん、呼吸が深くなり、
胸郭の位置が整い、姿勢が改善していきます。
そして、その結果、姿勢の歪みから来る不調が改善されます。
ろっ骨エクササイズKaQiLa〜カキラ〜は、痛みを伴わず、ゆったりとした動きで行いま
す。運動が苦手な方、高齢の方、どなたでも行なえます。
ぜひ、一度、体験してみて下さい。
カキラリストの数珠つなぎ動画を配信しています。
50人のカキラリストが一型ずつを、紹介しています(重複している型もあります)。
私は、胸郭が柔軟になり呼吸が深くなるクレセントムーンの型をご紹介しています。
かきら数珠つなぎVol 10 Tamakiさん(Deutsche Version)
ろっ骨エクササイズKaQiLa〜カキラ〜を詳しく知りたい方は、こちら↓
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