ドイツで今、旬の食材は、ホワイトアスパラガス(Spargel)。ドイツ人が春の味覚として楽しみにしている食材です。
4月中旬頃〜6月24日(聖ヨハネの日)まで期間限定で食すことができます。
期間が限定されているのは、収穫期間を長くすると、株が弱ってしまい、次の年に美味しいシュパーゲルを収穫できなくなるからです。余力を残して、畑と株を休ませることが大切なのだそうです。
力を使い果たすのではなく、力を残してしっかり休養。これは、植物も人間にも通じる長く元気に過ごす秘訣ですね。
今日は、この時期に食しておきたい、ホワイトアスパラガスの健康効果についてお届けします。
THD,Japan~日本総合健康指導協会~カキラドイツ支部長・KaQiLaエグザミナーの
Tamakiです。
訪問して頂きありがとうございます。
ホワイトアスパラガスの健康効果
ドイツのアスパラ事情
日本では、アスパラガスと言えば、緑色が一般的です。私もドイツで暮らすまで、生のホワイトアスパラガスなんて食べたこともありませんでした。缶詰に入っているホワイトアスパラガスを見たことがあるぐらいでした。
でも、ドイツでは、ホワイトアスパラガスの方が一般的です。
スーパーでも購入できますが、わざわざスーパーの店頭や、駅近く、道などで、地元産のホワイトアスパラガスを売る屋台が出ています。お値段は、他の野菜に比べたら高いです。鮮度やアスパラガスの太さによって値段はかわり、太くて真っ白なアスパラガスが高級品です。
アスパラガスの歴史
ヨーロッパにアスパラガス(グリーンアスパラガス)が入ってきたのは、ローマ人がヨーロッパを征服した頃だそうです。古代ギリシア人は、すでにアスパラガスの良さを知っていて、医者としても有名なヒポクラテスなどは、根を乾燥させて、そこから強い利尿作用のある薬を得ていたそうでです。
そして、裕福なローマ人は、祝宴でアスパラガスを食し、栽培も行っていたそうです。ローマ皇帝アウグストゥスも大のアスパラガス好きで、「アスパラガスに火を通すよりも早く命令を実行しろ」と言ったそうです(ローマ皇帝アウグストゥスは命令を出す時に自分の好きな野菜を表現に加えたそうです)。
ローマによる征服によって、ヨーロッパに持ち込まれたアスパラガスは、その後、数世紀の間は、主に、修道院の庭園で薬用植物として栽培されていました。
16世紀以降になって、貴族の間で、アスパラガスが食卓に登場する機会が増えたそうです。
ドイツでは、シュトゥットガルトの行楽地でアスパラガスが食材として栽培されたのが始まりで、17世紀中頃には、普及していたそうです。でも、一般に広がったのは、缶詰として保存ができるようになった、19世紀だそうです。
ところで、ヨーロッパへ入ってきた時は、グリーンアスパラガスが一般的でしたが、今は、ホワイトアスパラガスが主流。ホワイトアスパラガスの味の魅力が発見されたのは、偶然だったそうです。
ホワイトアスパラガスとグリーンアスパラガスは品種が違うのではなく、ホワイトアスパラガスが地中から出て太陽の光を浴びて成長したものが、グリーンアスパラガスです。つまり、ホワイトアスパラガスは、土の中にある新芽です。新芽が美味しいとドイツ人は思ったようで、土をかぶせて、日に当たらないようにして栽培することが広まりました。現在、ドイツは、ヨーロッパでも有数のホワイトアスパラガス生産国となっています。収穫は、隣接する東欧諸国からの季節労働者の手によるのものが大半で、一昨年コロナで国境を閉鎖した時には、ホワイトアスパラガスはどうなるんだ!とドイツ人はやきもきしたようです。
ホワイトアスパラガスの栄養成分
アスパラガスは約94%が水分で構成されており、100㌘辺りのカロリーも18キロカロリーと低カロリーな野菜です。
食物繊維イヌリン
アスパラガスに含まれている食物繊維は、それほど多くはありませんが、プレバイオティクスと呼ばれるイヌリンが含まれています。
プレバイオティクスとは、
プロバイオティクスが微生物をさすのに対して、
プレ、つまり、先の、前の、バイオティクス。
これは、
1.消化管上部(口、食道、胃、十二指腸)で分解、吸収されない。
2.大腸に共生する有益な細菌(善玉の腸内細菌)の栄養源になり、腸内細菌の増殖を促進する。
3.大腸の腸内フローラ*1の構成を健康的なバランスに改善し維持する。
4.人の健康の増進維持に役立つ。
といった、これらの条件を満たす食品成分のことだそうです。
アスパラガスに含まれているイヌリンは、チコリやごぼう、玉ねぎなどにも多く含まれていて、善玉の腸内細菌の餌になるため、腸内フローラにとてもよい影響を与えるそうです。
腸内細菌がイヌリンを代謝すると、短鎖脂肪酸が生成されます。短鎖脂肪酸は、大腸の働きを助け、腸内環境を酸性に導きます。その結果、酸性が苦手な悪玉菌が減って、善玉菌が増えやすくなることで、腸内環境がよくなるそうです。
アスパラガスは、腸内環境を整え、排出できるカラダづくりにはとても効果のある食材だということが、分かりました。
アスパラギン酸
アスパラガスから発見されたという成分があります。アスパラギン酸です。
アスパラギン酸には、腎臓の活動を促進し、水分の排出を促す効果があります。つまり、体内の毒素を排出するデトックス効果が見込めるのです。有害なアンモニアを体外に排出してくれる利尿作用です。
アスパラギン酸は、煮込んだりスープにしたりして飲むと特に効果を発揮するそうです。ホワイトアスパラガスのスープ、クリーミーで美味しいです。
私は簡単におみそ汁に入れたり、ホワイトアスパラガスの茹で汁を料理に利用したりしています。
(ただし、尿酸値が高い人、腎臓病の人、心臓や腎臓の昨日が低下している人は、大量のアスパラガスを食べるのは控えるか、医師にご相談下さい。)
余談ですが、アスパラガスを食べた後、尿が臭くなると感じる人もいます。体内のある酵素が不足していると、アスパラギン酸を分解できずに尿が臭くなる、または、その臭いを知覚しない人もいるそうです。どちらも遺伝的な要素が関係しているそうです。いずれにしても、臭いは無害で、病気や中毒の兆候ではないので、心配はいりません。
カリウム
ホワイトアスパラガスの中で特に多く含まれているのがカリウム(100㌘辺り190㌘〜280㌘)です。
カリウムは、「細胞の浸透圧の調整や、酸とアルカリの平衡維持、筋肉の収縮、神経細胞の刺激伝達に関与」しています。
細胞の外側と内側には水分があり、その間を隔てている細胞膜を通ってカリウムやナトリウムは行ったり来たりすることができ、細胞の浸透圧の調整をしています。ついつい塩分(ナトリウム)が高めの食事になりがちですので、ホワイトアスパラガスのようにカリウムを多く含む食品も意識して取る必要がありますね。
また、カリウムは神経のインパルス電動の機能にも重要な役割を果たしています。
「細胞の内側にはカリウムが、外側にはナトリウムが多く存在しています。このナトリウムが細胞内に移動したり、カリウムが細胞外に移動したりすることで電流が発生し、シグナルが伝えられます。これは筋肉の収縮に関係するため、ナトリウムとカリウムのバランスが崩れると、筋肉が正常に動かなくなってけいれんが起こることもあります。」
また、「カリウムは腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制して、尿中への排泄を促進するため、血圧を下げる効果があります」。
窒素
ホワイトアスパラガスには、窒素もたくさん含まれています。窒素は、腎臓の活動を刺激するので、利尿作用につながります。
サポニン
ホワイトアスパラガスには、サポニンも含まれています。アスパラガス特有のあの苦味の成分です。
サポニンには、抗酸化作用があり体が酸化するのを防いでくれます。抗酸化力により、活性酸素が抑えられ、中性脂肪や悪玉(LDL)コレステロールの酸化が防がれるそうです。その結果、血液はサラサラになり流れが良い状態になります。血液がサラサラと流れてくれれば、心臓への負担が減り、内臓の働きも良くなります。そのことで、利尿作用も促進されるそうです。
このようにみていくと、アスパラギン酸、カリウム、窒素、サポニンが含まれているホワイトアスパラガスは、まさに、デトックスにもってこいの食品です。ドイツでも、Frühjahrszeit = Entgiftungszeit (春=デトックスの時期)と言われます。
ドイツ人は、オランダソースやバターソースで食べることが多いのですが、私はめんつゆで御ひたしにしたり、天ぷらにしたり、野菜炒めの具にしたりしています。あっ、ホワイトアスパラガスのラザニアも美味しい。
ビタミン類やその他のミネラル
ホワイトアスパラガスには、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB群なども含まれています。また、生のアスパラガスには、特に葉酸が多く含まれています。葉酸とビタミンCの組み合わせは腸の粘膜を安定させるそうです。
また、カリウム以外の鉄、マグネシウム、カルシウム、銅などのミネラルも含まれています。
まとめ
春が旬のホワイトアスパラガスは、腸内環境を整え、利尿効果があり、むくみや血圧改善に嬉しい効果があり、デトックスの時期に上手に利用したい食品と言えます。
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*1:腸内に棲んでいる細菌は、菌種ごとの塊となって腸の壁に隙間なくびっしりと張り付いています。この状態は、品種ごとに並んで咲くお花畑(flora)にみえることから「腸内フローラ」と呼ばれるようになりました。